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ソウルの美味4 お汁粉

ソウルにおいしいお汁粉屋がある、とある女性誌で読んで以来、ずっと気になっていました。餅好きのわたしとしては、日本のお汁粉と味の比較をしてみたかったのです。つぶあんなのか、こしあんなのか。もち米の餅なのか、うるち米の餅なのか。甘いのか、甘くないのか。いつか行きたいと思いながら、車でないと少々行きにくい場所だったので、なかなか行けずにいたのです。

2002年の夏、仕事で来ていた夫のつかの間の空き時間に、ふと思いついて、このお汁粉屋に足を運んでみました。そのお汁粉屋の名前は「ソウルソ トゥルチェロ チャラヌン チプ」(ソウルで二番目においしい店)という、何とも長くてユニークなもの。二番目、というところに、控えめではありつつも、その味に自信があることがうかがえます。

場所は、景福宮の東側の道、サムチョンドン(三清洞)キルをまっすぐ北に行き、途中左に金大中大統領も御用達のスジェビ(日本のすいとんに近い食べ物。ここのスジェビもおいしい!)屋を見ながら、なお進んだ右側です。最寄り駅といえば、やはり景福宮駅になるんでしょうが、ちょっとした坂道を登って行くので、歩いて軽く20分はかかります。サムチョンドンキルは、おいしい食べ物屋さんや、しゃれたギャラリーが点在していますから、暖かい日なら、これらを冷やかしながら散歩するのもおすすめです。

ようやくお汁粉屋に到着です。店内は木をふんだんに使っていて、温かみのある雰囲気です。メニューを見ると、お汁粉と漢方茶のお店であることが分かりました。そこで、私たちはタルバンチュク(お汁粉)とサンファチャ(漢方茶の一種)をお願いしました。

さあ、お汁粉が出て来ました。日本のお汁粉とは違い、栗や銀杏、そしてナツメが入っています。そしてシナモンの香りがほのかにします。餅はまんまるで焼いていないもの。食べてみると、おっ、のびるのびる。韓国ではうるち米の餅が一般的なので、日本の餅と同じもち米の餅だったのは意外でした。あんは甘さ控えめで、ちょうどいい塩梅。こしあんでした。日本のお汁粉といえば、ともすればややしつこくてお腹にたまる、というイメージですが、韓国のお汁粉は、むしろヘルシーで体にいい、という印象を受けました。さすが「モメチョッタ」(体に良い)ものが大好きな韓国人らしい発想の食べ物です。

一緒に頼んだサンファチャは、疲れた体に効くとかで、夫が所望したもの。飲んでみると、苦いのだけど、後味さっぱり。いかにも効きそうな、見事な漢方茶っぷりでした。

「ソウルソ トゥルチェロ チャラヌン チプ」(ソウルで二番目においしい店)、ちょっと遠いですが、足をのばす価値は十分にあります。雑誌に載っていたりすると、思わず敬遠してしまったり、行ってみると今度は裏切られた気分になったりすることもありますが、このお店に関しては心配無用です。ぜひとも行ってみてくださいね。

ここで「韓国人へのお土産」おまけ。わたしのお友達で、ウルサン在住のえりちゃんによると、もっとも韓国人にウケたお土産は、なんとあの京都銘菓「おたべ」なんだとか。確かに、あんこもシナモンもなじみのある食材だし(タルバンチュクだってそう)、何しろあのやわらかい食感が好かれるんだそうですよ。伝統的な味のおたべと抹茶味のおたべ、どちらも好評だったとのことですから、韓国人への手土産に悩んでいる方、ぜひご参考に。

ソウルの美味、最後を飾るのはずばり「餅」。ソウルの餅を食い尽くした(!?)わたしが、今最も気に入っている餅カフェをご紹介します。


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